第 5 回
取引履歴の開示(後編)
FAX送信状
受任通知については、各債権者の担当部署に送ります。どの支店で借りたかということは考慮する必要がありません。 ある消費者金融の秋田支店で借りても、横浜支店で借りていても、東京の方に受任通知は送ります。
それと同時に、私の場合、FAX送信状も送ります(第2の手段)。これもどの支店で借りたにしても、 担当部署の方にファックスするので、業者によっていつも同じ番号になるのです。
そして、そこには、いついつからの借り入れがあるので、早急に履歴を開示されたい旨と、開示されない場合には、財務局に申告する旨、 また、過払い金の返還請求訴訟をする旨が記載されています。いつから借り入れたのかということは、債務者の記憶に基づいて記載します。 その資料がなくても構いません。記憶があればそれで十分です。
さらに、FAX送信状には、取引履歴を開示しない行為が不法行為に該当するという最高裁の判例(平成17年7月19日)が引用してあります。
内容は、受任通知と類似しているのですが、受任通知は全ての債権者に対して同内容のものを送付するのに対して、 FAX送信状は債権者との取引に応じて違った内容のものを送ります。 取引の開始時期も記載しますし、過払い金が生じると思われる債権者のみに重点的に送るのです。
さらに、受任通知は一回だけですが、FAX送信状は週一回程度送り、開示されない場合には、何度でもくりかえし送り続けます。 このように、何度も請求することが、あとで、慰謝料請求をする場合に、「あれほど請求したのに」ということで、ものを言ってくるのです。 また、くりかえしFAXを送り続けることで、サラ金業者も出さないわけにはいかないという気分になるのです。
財務局への申告
サラ金業者は、大きなところは関東財務局(又は近畿財務局等)で登録されており、小さいところは、都道府県で登録されています。 そして、取引履歴をなかなか開示しない業者については、関東財務局又は都知事(又は県知事)に、行政指導の申告を求める文書を送ります。
これが第3の手段であり、結構効果的です。
財務局への申告後には、サラ金業者から慌てて電話がかかってきて、今後はすぐ出しますので、財務局への申告だけはもう止めてくださいなどと言ってきます。
一度、こういうやりとりをすると、サラ金業者にこちらの名前を覚えてもらって、早急に取引履歴を出してもらえるようになるものです。
過払金の返還請求訴訟
度重なるFAX送信状も財務局への申告もまったく意に介さないという業者には、地方裁判所に過払い金の返還請求訴訟を提起します。
取引履歴がないので、正確な計算はできませんが、いつ頃から借り入れたのかという推測に基づいて、取引履歴を仮に計算して、 それに基づいて、不当利得返還請求訴訟を提起します。地方裁判所に提訴すれば、弁護士か代表者しか出頭できないので、地方裁判所に提訴します。 名目上の支配人が出頭してきた場合には支配人性を争います。
地方裁判所に提訴すると、放っておけば欠席判決となりますので、どのような業者でも、最終的には取引履歴を出してくることになります。
まとめ
このように、取引履歴を開示させる方法は多数ありますので、業者が最後まで取引履歴を隠し通すことは決してできません。
ただ、いずれも、弁護士でないと難しい方法なので、債務整理については、まず、弁護士に相談することをお勧めします。しかも、経験のある弁護士だと、なお、好都合でしょう。
このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
第 25 回
過払い金の回収

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