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過払いと任意整理

このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。
そして、私は、「債務整理」や「クレジット・サラ金問題」について、数回にわたりお話しすることになっています。

今回は,過払いがある場合(又はあるかもしれない場合)の任意整理(債務整理)について,ご説明しましょう。過払いについて誤解なさっている方が多くて,「過払いがある場合に,結局,私の多額の債務がどうなるのか分からない。」という方もいらっしゃいますので。

1. 過払いとは

過払いとは,利息を多く払い過ぎていて,債務が本当はなくなっている場合のことです。ですから,過払いが生じている場合には,必ず債務は0円になっている(なくなっている)のです。この点を誤解して,過払いがある場合には,債務はどうなるのでしょうかという質問をなさる方が結構います。

過払いが生じている場合には,債務はすでになくなっていますので,債務の心配をする必要はありません。

2. 全て完済している場合

債権者数社に対して,高い(利息制限法違反の)利息を支払い続けて,債務を全て完済しましたという方の場合,間違いなく,過払いが生じています。その場合には,弁護士(司法書士ではなく)に依頼して,過払い金を回収しましょう。過払い金を回収しても,完済した債務が復活する等のリスクはありません。

過払い金は,言ってみれば,自分の貯金のようなものですから,過払い金を回収しないことは,自分の貯金をどぶに捨てるような行為で,非常にもったいないように私には思われます。

3. 完済業者と,完済していない業者がいる場合

まず,完済業者については,前項で述べたように間違いなく過払いが生じています。ですから,これは弁護士に依頼して,黙って回収することです。

弁護士にも司法書士にも依頼せずに,自分で回収することも不可能ではありませんが,サラ金業者は弁護士を恐れることの反面として,弁護士以外の人間をナメまくっています。ですから,取引履歴を出せと言っても出してくれない。過払い金を支払ってくれといっても支払ってくれないという腹立たしい気分にさせられる可能性は非常に高いです。

しかし,サラ金業者は弁護士を全て恐れているわけではなく,弁護士をランク付けしていて,厳しい弁護士のことは恐れていて早めに履歴開示し,早めに支払ってきます。ところが,そうでない弁護士に対しては,いつまでたっても履歴を開示しなかったり,元本の7割8割といったふざけた和解案を提示してきたりします。つまり,弁護士もナメられたら終わりなのです。ですから,過払い金の回収を弁護士に依頼するにしても,サラ金業者にナメられない弁護士,過払い金の回収に熟練した弁護士に依頼する必要があります。

4. 完済していない業者のみの場合(取引期間が長期の場合)

完済していない業者の場合,過払いが生じるか否かはケースバイケースです。ただ,一般的に,取引期間が長期であれば,過払いが生じる可能性が高いです。

取引期間が5年以上であれば過払いが生じる可能性はあるでしょうし,取引期間が10年以上であれば,過払いが生じる可能性は高いと言うべきでしょう(絶対ではありませんが)。

ですから,この場合には,過払いが生じるかどうかは分からないけれども,弁護士に依頼して,受任通知を出してもらい,サラ金業者に取引履歴を出させて,引き直し計算をするということになります。

弁護士が債務整理をしている間は,利息を支払わなくていいということになっています(東京3弁護士会の基準です)ので,仮に過払いが生じなかったとしても,他の債務にマイナスに作用することはありません。

複数の債務のうち,いくつかに過払いが生じれば,その過払いを他の債務(利息制限法に引き直してかなり少額になっています)の支払に充てることも可能です。これを「往復ビンタ」と呼んでいる弁護士もいるようです。

5. 完済していない業者のみの場合(取引期間が短期の場合)

取引期間が短い業者のみの場合で,完済していない場合には,過払いが生じる可能性は低いです。しかし,弁護士が入ることで,債務は減額されますし,最終取引日から和解日までの利息は支払わないことになっていて(東京3弁護士会の基準),和解日以降の将来利息も支払わないことになっています(東京3弁護士会の基準)ので,仮に過払いが生じなくても,弁護士に債務整理を依頼するメリットは大きいのです。

6. まとめ

以上の通り,過払金回収及び任意整理(債務整理)を弁護士に依頼するメリットは大きく,デメリットはほとんどありません。ですから,くどいようですが,債務の支払いに困ったら,また,過払いがあるかもしれないと思ったら,とにかく,弁護士に相談してみてください。

それが私からのお願いです。


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岡林 俊夫 弁護士 寄稿担当:岡林 俊夫 弁護士
所属:岡林法律事務所
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このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
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