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このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。 そして、私は、「債務整理」や「クレジット・サラ金問題」について、数回にわたりお話しすることになっています。
今回は,多額の過払い金を回収できそうだ(又は,回収できた)が,その他に、さらに多額の債務を負っていて,全額返済することは難しいという場合について,お話しします。多額の過払い金があるけれど債務も多い場合にはどうしたらいいのか分からないという方もいるからです。
1. 過払い金が99万円+αの場合
まず,過払い金を回収して,弁護士費用及び実費等を支払って,99万円+αの残金がある場合について,お話しします。
前回お話ししたように,このときも,残債務が多く(例えば300万円以上というような場合です),返済が困難な場合には,自己破産の申立ができます。ただし,現金が20万円以上ある場合には,同時廃止という訳にはいかず,少額管財(小規模管財事件)という手続きになります。少額管財の場合には,免責決定が得られるまでに,半年間程度かかることが多いです。
ここで,少額管財という手続きにおいて,99万円未満の現金は,自由財産として破産者が保持したまま自己破産の申立をすることが可能です。前回,述べましたように,自己破産の申立をする場合でも,生活に必要最低限の現金を持っていることは許されるからです。
しかし,99万円を超える現金は持っていることができません。そこで,方法が2つあります。
1つは,99万円未満の現金は持ったまま,その余の現金は管財人に引き継ぐ形で,自己破産の申立をするという方法です。この方法ですと,直ちに自己破産の申立をすることができます。しかし,99万円を超える部分については,管財人に引き継ぎ,債権者への支払い等に充てる必要が生じてしまいます。
もう1つは,99万円を超える現金については,しばらく生活費として費消して,現金が99万円未満になってから,自己破産の申立をするという方法です。この方法ですと,債権者への支払いにはお金を全く回さないで済みます。しかし,直ちに申立をすることができないというデメリットがあります。
両者について,急いで自己破産の申立をする必要性と,現金を生活費に充てる必要性とを比較衡量していずれがよいのかを判断しなければなりません。いずれにしても,債務者は,(破産法に反しない範囲で,)自分の利益を最優先に考えることができます。債権者のことばかり考えていては,一度破綻した生活を立て直すことはできないのです。
2. 過払い金が非常に多額の場合
次に,過払い金を回収して,弁護士費用及び実費等を支払って,99万円を遙かに超える残金がある場合について,お話しします。
この場合には,まず,自己破産の必要があるかどうかという問題があります。返済できる範囲の債務で,過払い金が十分にある場合には,弁済していくという選択肢もあります。分割ではなく一括で支払う場合には,減額を認めてくれる業者もありますから。
また,民事再生の申立をして,債務を圧縮して支払うという方法もあります。
しかし,どうしても,自己破産しかないという場合には,前項の1番目の方法つまり,99万円未満の現金は持ったままで,その余の現金(99万円を超える過払い金)を管財人に引き継いで自己破産するという方法があります。
3. まとめ
いずれにしても,過払い金が十分にある場合で,自己破産しかないという場合でも,99万円までの現金は持っていられるのです。このようにすることで,自己破産後の生活の再建を考えることができます。
つまり,債権者のことより債務者(自分)のこと,赤の他人のことより家族のこと,過去のことより未来のことを考えるべきなのです。そのために,一刻も早く弁護士にご相談することをお勧めします。
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寄稿担当:岡林 俊夫 弁護士
所属:岡林法律事務所
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このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
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