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このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。 そして、私は、「債務整理」や「クレジット・サラ金問題」について、数回にわたりお話しすることになっています。
今回は、受任通知について、ご説明しましょう。
1. 受任通知とは
まず、受任通知とは、「依頼者(債務者)が弁護士に債務整理を依頼しました。」ということをサラ金業者(債権者)に通知する文書です。 これは、依頼者(債務者)が作成し郵送するのではなく、依頼を受けた弁護士が作成し、サラ金業者(債権者)に郵送します。
作成と言っても、ひな形があって、そこに、債務者の住所・氏名・生年月日を入れるだけです。宛名は債権者各位殿となっていて、それを各債権者に郵送します。
債務者の住所や生年月日を債権者に教えることに躊躇される方もいるかもしれませんが、債務者の特定のためには必要ですし、そもそも債権者は債務者のそういった情報をすでに把握していることがほとんどです。ですから、受任通知によって、債権者に新たな情報を知らせることにはなりません。
債権者の宛先は、各支店でもいいのですが、私は、面倒なので、全て本店ないし同一の取扱い部署に送っています。アイフルならどこどこ、武富士ならどこどこと決めてしまっています。その方が、宛名ラベルの作成等が楽だからです。
ですから、債務者の方には、どの会社と取引があったかだけ、教えてもらえれば、支店名や金額、取引時期等が不明でも、とりあえず、受任通知を出すことはできます。債権者の名前も不明ですと、さすがに、受任通知の出しようがありません。
2. 受任通知のメリット
受任通知を発送する最大のメリットは、債権者からの請求が止むことです。弁護士が受任通知を発送した後に、サラ金業者(債権者)が債務者に対して直接連絡(請求)することは、金融庁のガイドラインで禁じられています。従って、受任通知の発送後は、債権者の請求に煩わされずに、債務者は落ち着いた生活を送ることができるようになります。
ただし、これは、サラ金業者の場合です。トイチ(10日で1割の利息)、トサン(10日で3割の利息)等の短期・違法高利で貸し付ける闇金業者の場合、ガイドラインもへったくれもないということがあります。その場合には、受任通知以上の手を打つことが必要になります。
しかし、通常のサラ金業者の場合、受任通知一本で、直接請求は止みます。この効果が非常に大きいです。債務者は、立場上、債権者に従属するような心理状態にあるので、請求が続く限り、それ(請求されている状態)から逃れたくて、支払を継続してしまうものです。そのような心理状態が、20年間で500万円といった過払い金を産むのだと思います。
受任通知の第2のメリットは、支払を中断できることです。受任通知発送後、債務者は、債権者への支払いを相当期間、中断することができます。これも大きな効果です。債務者は、弁護士に相談する直前は、通常あり得ないくらいの金額を債権者に支払っているものです。月収が20万円なのに、合計で10万円を各債権者に支払ったりという形です。ですから、この支払いがやむと、債務者は生活の再建を図ることができます。
(ところが、その後、弁護士費用を払ってもらうとなると、同じ人が月額3万円しか払えなかったりします。それだけ、余裕のある生活になったのだから、良いことなのですが。)
3. 受任通知のデメリット
では、受任通知を発送するデメリットとは何でしょうか。
まず、弁護士が受任通知を発送すると、業者間(サラ金ならサラ金業者、銀行なら銀行間)のブラックリストに載ることになります。これにより、債務者は新たな借入ができなくなります。また、クレジットカードを作ったりできなくなります。
しかし、多額の債務を負って、支払不能になっている状態で、新たな借入ができなくなることのデメリットはそれほど大きくありません。つまり、多額の債務を負っているのに、まだ、借入をする気でいられては困るということです。
住宅ローンを組めなくなる可能性はありますが、将来のマイホームの夢よりは、現在の借金問題の方が優先するのではないでしょうか。
第2のデメリットとして、債務者が受任通知を発送すると、保証人に請求が行ってしまうという点があり、これはなかなか厄介な問題です。保証人に迷惑をかけてしまうから、受任通知を出されると困るということが時々あります。
このような場合には、保証人と事前に協議することが必要になります。しかし、保証人と債務者の利害は必ずしも一致しない(むしろ利害が反することが多いです。)ので、保証人に請求が行くことは、厳密には債務者のデメリットではありません。つまり、それは保証人の問題であり、債務者の問題ではないということです。
「保証人に迷惑をかけるから受任通知を発送しない。」という考えはナンセンスだと私は、思っています。保証人には、保証人になってもらった時点で、すでに迷惑をかけているのです。にっちもさっちもいかなくなって、保証人に迷惑などと言っている場合ではありません。他人のことより、まずは、自分のことを何とかしなければなりません。保証人は保証人で弁護士に相談すべきであるというのが私の考えです。
4. まとめ
このように、受任通知はメリットが非常に大きく、これに対してデメリットはほとんどありません。債務整理は、弁護士に委任して、受任通知を発送してもらえば、9割方解決したと言っても過言ではありません。ですから、まずは、とにかく、最寄りの弁護士にご相談なさってくださいますよう、お願いします。
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寄稿担当:岡林 俊夫 弁護士
所属:岡林法律事務所
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このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
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