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太地町のイルカ追い込み漁は「動物愛護法違反」、NGO代表が許可取り消し求め提訴
会見したヤブキレン氏(左)と高野隆弁護士

太地町のイルカ追い込み漁は「動物愛護法違反」、NGO代表が許可取り消し求め提訴

和歌山県太地町におけるイルカの追い込み漁において、動物愛護法違反や許可された量以上の捕獲がされているなどの問題があるとして、NGOの代表と太地町民の2人が、2月8日、和歌山県知事に対して漁業組合の漁師らの許可処分の取り消しを求めて、和歌山地裁に提訴した。NGO代表や代理人が2月14日に都内で会見を開き、漁によってパニックになって死亡するイルカがいる実態などを紹介した。

訴えを起こしたのは、自然保護NGO団体「Life Investigation Agency」のヤブキレン氏ら。代理人には、高野隆弁護士ら3人がついている。許可取り消しの対象としているのは、地元漁協「太地いさな組合」の組合長ら12人。

●「組合の扱いはイルカの生態を考慮していない」

ヤブキ氏らは、網で囲ったあとに漁協が所有権を主張する看板を出していることを踏まえて、囲い込み後のイルカは動物愛護法上の「愛護動物」に当たると主張。

追い込み漁においては、イルカが網の中に数日間閉じ込められ、網で傷ついたり、パニックになって死亡しているという。

会見したヤブキ氏は、「イルカは食事も与えられず、獣医師の診察も受けられていない」「組合の扱いはイルカの生態を考慮していない」として、「虐待」にあたるとしている。

また、漁では、イルカの殺害方法として、金属の棒を刺して脊髄を損傷させる方法をとっており、絶命まで数分から数十分かかるという。この点について、動物を殺さなければいけない場合、「できる限りその動物に苦痛を与えない方法」を求める動物愛護法に違反していると訴えている。

他にも、2017年から2018年の漁期においては、「シワハイルカ」という種類のイルカにおいては、許可された捕獲枠が27頭だったのに対し、67頭多い、94頭の捕獲が確認されているという。

会見に同席した高野弁護士は、「(国際ルールを持ち出すまでもなく)追い込み漁は日本の法律に基づいて明らかに違法だ」とした。

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