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リーチサイト「はるか夢の址」運営に実刑判決、講談社「重大な意義がある」
はるか夢の址のサイト(Internet Archiveより)

リーチサイト「はるか夢の址」運営に実刑判決、講談社「重大な意義がある」

違法にアップロードされた漫画など、海賊版コンテンツに利用者を誘導するリーチサイト「はるか夢の址(あと)」を運営したとして、著作権法違反などに問われた元大学院生の男性ら3人の判決公判が1月17日、大阪地裁であった。

元大学院生の男性には懲役3年6カ月、IT会社元代表の男性には懲役3年、無職の男性には2年4カ月の有罪判決が言い渡された。この判決を受けて、出版大手の講談社は「執行猶予のつかない実刑判決が下されたことは重大な意義がある」とするコメントを発表した。

著作権にくわしい福井健策弁護士によると、「過去最高レベルの厳刑」だが、「ただし、公訴事実はアップロードとセットになっており、リーチサイト単独で侵害とする判断とは限らず」という。

●講談社「議論の行方を注視」

元大学院生らは共謀して、2016年から2017年ごろにかけて、漫画『ナルト』などを権利者に無許諾でインターネット上で公開した。さらに、そのリンクを運営するリーチサイト「はるか夢の址」(すでに閉鎖)に掲載して、漫画家などの著作権を侵害した罪に問われていた。

漫画を無許諾で公開された講談社の広報は、判決を受けてコメントを発表。これによると、これまで、複数のアップロード行為者も懲役刑の有罪判決を受けており、その中には主婦も含まれている。同社は「安易な目的で著作権侵害行為に手を染めた結果、重大な責任を生じることが明らかになったといえる」と強調している。

さらに、リーチサイトについて言及して、「アップロード自体にかかわらないことで法の網をくぐる『リンクを貼る』行為に対しても、現在、違法化を進める法改正が審議されているところであり、弊社としてはその議論の行方を注視している」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

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