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東京朝鮮学校の無償化訴訟、2審も元生徒敗訴…「悔しい気持ちでいっぱい」上告へ
控訴審判決直後の東京高裁前

東京朝鮮学校の無償化訴訟、2審も元生徒敗訴…「悔しい気持ちでいっぱい」上告へ

高校無償化の対象から朝鮮学校を外したのは違法だとして、東京朝鮮中高級学校の元生徒61人が国を相手取り、1人あたり10万円の損害賠償をもとめた国家賠償訴訟の控訴審判決が10月30日、東京高裁であった。阿部潤裁判長は、請求棄却とした1審判決を支持し、原告側の控訴を棄却する判決を下した。原告側は判決を不服として、上告する方針を示した。

原告の1人で元生徒の女性(23)は判決後の記者会見で「納得のいかない判決で、悔しい気持ちでいっぱい」と語った。この日、東京高裁が入る建物の近くで、拡声器をもった集団による差別的なシュピレヒコールがあがる一幕もあり、女性は「この状況も裁判に勝利することで変わると思う。絶対にあきらめません」と決意をにじませた。

高校無償化の制度は、民主党政権下の2010年4月にスタートした。東京朝鮮学校も適用申請したが、自民党に政権交代したあと、当時の下村博文文科相が2013年2月、高校無償化法の施行規則の一部を削除して、朝鮮高校を対象外とする処分をおこなった。

原告側は、法律ではなく、施行規則を変更することによって、無償化から排除する処分は、文科相の裁量を逸脱しているなどとして、東京地裁に提訴。2017年9月の1審判決は「国の判断は不合理ではない」としたため、原告側が控訴していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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