弁護士ドットコム特別企画

vol.4 川村 明 弁護士 国際法曹協会(IBA)会長

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「リーガル・サービス市場拡大の起爆剤となるTPP」

プロフィール

1941年5月9日京都市中京区生まれ。

1964年に司法試験に合格し、翌年、京都大学法学部を卒業。1967年に司法研修所修了・弁護士登録(第二東京弁護士会・19期)。同年に、アンダーソン・毛利・ラビノウィッツ法律事務所(当時)に入所する。
その後、1971年に豪州シドニー大学(LL.M.1979)留学し、帰国後、1976年に同事務所パートナーに就任。1985年に第二東京弁護士会副会長、1986年に日本弁護士連合会常務理事、1996年日本弁護士連合会外国弁護士及び国際法律業務委員会委員長を務める。

2005年には国際法曹協会(IBA)常務理事を務め、その後、2007年国際法曹協会(IBA)事務総長、2009年国際法曹協会(IBA)副会長、そして、2011年には国際法曹協会(IBA)会長を務める。

その他役職として、京都大学法学部客員教授、中央大学法学部大学院法学研究科兼任講師、日本癌学会倫理委員、日本マクドナルドホールディングス株式会社社外取締役、日本仲裁人協会常務理事、世界弁護士会問題評議会常任議長、財団法人国 際号学会評議員ほかを務めている。

意外と少ない米英の訴訟弁護士

──川村明先生は、2011年1月から国際法曹協会(IBA)会長に就任されてグローバルな観点から弁護士業務を見ていらっしゃるわけですが、日本の現状をどう捉えておられますか。

川村最近、「日本の弁護士、これでいいのか?」と考えさせられます。2002年3月の司法制度改革推進計画の閣議決定で、「2010年ころには司法試験の合格者数を年間3000人程度とする」という目標設定がなされ、2007年以降の年間の合格者は2100人前後になりました。その結果、「弁護士の就職難」と大問題になり、司法制度改革自体の見直しが叫ばれるようになっているわけです。

日本の司法試験と司法研修所教育は、今でも裁判教育で、弁護士について言えば訴訟弁護士の養成です。かつてのように年間500人前後の時代なら、それでもよかったのでしょう。しかし、そもそも今回の司法制度改革で合格者を増やした狙いは、いままでとは違った業務を担う弁護士を育成していくことにあったはずです。訴訟以外の新しい業務を切り拓いていける弁護士の養成が期待されていたのです。

──日本では「弁護士=訴訟」というイメージが根強く残っています。諸外国の場合はどうなのでしょうか。

川村訴訟大国として知られているアメリカには120万人もの弁護士がいますが、アメリカの弁護士名鑑である「マーティンデール・ハベル(Martindale-Hubbell)」に訴訟弁護士として登録している人は16万人ほどしかいません。弁護士全体の1割強に過ぎません。どうでしょう、意外なことのように思えてはきませんか。アメリカの弁護士の圧倒的多数は訴訟をやっていないのです。

──確かにそうですね。アメリカの大半の弁護士は、紛争を起こさないよう事前に法的措置をとる「予防法務」や、企業経営の意思決定に法的な立場から携わっていく「戦略法務」などに携わっているのでしょうね。

川村イギリスの場合、法曹資格としてバリスター(法廷弁護士)とソリシター(事務弁護士)の2つがあって、訴訟をメインの業務にするのなら全ての裁判所での弁論権が認められているバリスターを目指します。両方を合わせて14万人ほどの弁護士がいますが、そのうちバリスターは1万人にも満たないのです。米国と英国を見ただけでも、弁護士のあり方が日本とは大きく違っていることがわかります。先進国では訴訟は弁護士の主たる仕事ではないのです。

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