弁護士ドットコム特別企画
2011年3月14日泉 徳地 弁護士インタビューアップ
1/3ページ

1939年福井県生まれ。1961年 京都大学法学部卒業。1970年 ハーバード・ロー・スクール修了(LL.M.)。
1963年裁判官となり、最高裁判所事務総長を経て、最高裁判所判事となる。
2009年退官後は弁護士となる。2010年秋の叙勲で旭日大綬章受章。
泉我が国の憲法は、議会制民主主義を採用して、選挙権の平等をうたっています。平等な選挙権は民主主義の基礎をなすものであり、国民にとって最も重要な基本的人権の一つです。そして、憲法で認められた国民の基本的人権を擁護することは、裁判所の大切な役割です。この裁判所の役割を十分に認識し、それを誠実に果たすことを目指す立場からすれば、選挙権の価値に2倍とか5倍の格差があることを違憲と判断するのは、当然のことなのです。
確かに、私たちには1人ずつ1票の選挙権を与えられており、形式的には平等な選挙権が認められています。しかし、1票の投票価値が平等かというと、そうではありません。例えば参議院選挙区選出議員の場合、地方の選挙区では15万票で1人の議員を選出することができるのに対し、大都市の選挙区では75万票を集めないと1人の議員を選出することがでないのが現状です。
つまり、大都市の住民は地方の住民に比べて、実質的に0.2票しか与えられていないわけです。これが衆議院小選挙区選出議員の場合になると、大都市の住民は地方の住民に比べて、実質的に0.5票しか与えられていません。こう考えると、現在の1票の投票価値が「平等」という概念の範囲を超えるものであることは、誰の目にも明らかでしょう。それにもかかわらず、「平等である」などと、国民の常識からかけ離れた判断をすれば、裁判所は国民の信頼を失ってしまいます。

泉平成21年1月に最高裁の判事を定年退官し、同年3月に現在のTMI総合法律事務所に入所しました。
そこに運動を立ち上げた升永英俊弁護士がいらっしゃって、声をかけていただいた次第です。お話をお伺いすると、「限りなく1人1票に近づけなくてはいけない」という自分が考えていたことと同じことを目指されているとわかり、参加させてもらうことにしました。
それまで升永弁護士とは面識がなかったのですが、升永弁護士の方は、私の最高裁判事時代の反対意見に目を通しておられたようです。
Copyright © 2005 bengo4.com All Rights Reserved.
記載の寄稿文・プロフィールなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます