弁護士ドットコム特別企画
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伊藤活動の中心メンバーである久保利英明先生とは、10年ほど前に伊藤塾の「明日の法律家講座」に講師としてご登壇をいただいてからのお付き合いです。また、リーダーでもある升永英俊先生とは思い出深いエピソードがあります。8年前、「憲法の重要性に改めて気づいたのだが、憲法の講義を長年にわたって続けているあなたの話しをお聞きしたい」と、訪ねていらっしゃったのです。それからお付き合いが始まりました。
そのお2人から、昨年7月の一人一票実現国民会議の立ち上げに当たって、「発起人の一人になってもらえないか」とのご依頼のファックスを頂戴し、すぐにお引き受けさせていただきました。それというのも、憲法の講義で大論点となっていた議員定数不均衡問題を取り上げ、「参院選挙で5倍以上の格差があっても、著しい不平等ではないという最高裁判決が諸悪の根源である」と塾生に教えながら、問題解決の必要性を痛感していたからです。
伊藤升永先生、久保利先生たちとお話をするなかで強く感じたのは、一人一票実現国民会議の活動のなかから今までの法律の世界では想像もできなかった「発明」がいくつも生まれているなということでした。その一つが、従来の「5倍の格差」ではなくて「0.2票しかない」という表現に置き換えながら、広く国民の皆さんにアピールしていることです。
前者の表現ですと、「神奈川の有権者が1票なのに対して、鳥取の有権者は5票持っているのか。鳥取の人は得しているな」と、どこか他人事として捉えがちです。しかし、「鳥取の有権者は1票、神奈川の有権者は0.2票。」となると、「えっ、1票と思っていたものが、0.2票だなんておかいじゃないか。ところで自分の選挙区の票はどうなっているのか……」と、我が事として認識するようになります。数学的には同じことなのですが、全国民の意識をこの問題に向けさせる「大発明」だと、目から鱗が落ちる思いでした。
実はその大発明は、私自身の誤りを気づかせるきっかけにもなしました。それまで私は「2倍未満の格差なら許される」という憲法学の通説を講義で当たり前のように教えていました。しかし、これは「2倍未満、つまり0.51票なら認めましょう」ということと同じです。人間誰しも人格価値は平等であるということに異論を持つ人はいないでしょう。それなら一人ひとりの投票価値も平等でなくてはなりません。

誤ったことを教え続けてきたことに気づいた私は塾生に謝罪し、テキストや著作物なども全て内容を修正しました。それが自分の誤りに気づいた人間の責務だと考えたからです。と同時に、「一人一票」を実現させることが自分の罪滅ぼしだと考え、より積極的に活動に参加するようになりました。
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