弁護士ドットコム特別企画
※2010年4月20日寄稿
東京地裁では、3月1日に喫煙所の空気清浄機が新しくなり、23日には入口の金属探知機も新しくなって、「新年度が始まるな」と心の準備はできてたんだけどねぇ。実際裁判官の人事異動を目のあたりにするとショックを隠しきれませんね。毎年のことではあるんだけど、4月はそんな季節。
だから、この時期の官報は何度読み返しても飽きない。「あの裁判官、あんなところに異動かよ」とか「今後東京地裁に来る裁判官、よく知らないな」とかね。
官報って、なかなか面白い情報が詰まってると思うんだけど、官報をネタにする芸人とかライターって見たことないなぁ。俺が知らないだけかもしれないけど。
好きな裁判官が4人も異動して、センチメンタルな気分の中、第2回目のテーマは「乱交パーティーの経営をするジュノンボーイもいるのだ!の巻」。
2010年2月10日と11日。
「tokyo top girls」を経営するF被告人は、東京都港区内のホテルの部屋を予約し、女性従業員と男性客が性交することをわかって、売春する部屋を提供。

初公判の話。大々的に報じられたのに記者が見当たらないという寂しい法廷だったんだけど。
検察官の冒頭陳述によると、F被告人は高校を卒業後、上京して俳優業を開始。しかし、平成17年に引退し、平成18年4月に現在も勤めているコンサルタント会社に入社したという。
そして、被告人は、乱交パーティー形式の売春クラブに参加した際、一緒に働くよう誘われたが断り、従業員にやり方を聞いて、自分で始めるようになったらしい。
平成19年4月?売春クラブの経営を始め、高級ホテルを予約し、その部屋に男性客を案内して、女性従業員と性交させていたという。
そして、逮捕された2月11日。性交が行われるという情報を入手した捜査員は、隣室で待機。音が聞こえてきたので捜査員が部屋に踏み込むと、性交していたため、その場にいた人たちを逮捕した、というのが事件の詳細です。
その時、性交していた男性客は警察の調べに対し「待ち合わせ場所に行くと、男の人がいたので、その人についてホテルの部屋に入った。何度か性交したことのあるLちゃんと自然な流れで性交することになった。挿入しているところで警察官が部屋に入ってきて、見られてしまった」と述べているらしい。
他の男性従業員4人は役割について、「倉庫からタオルなどの道具を運搬して、部屋のセッティングをしていた。売り上げのお金はボスが指定する場所へ持って行って、ボスに渡していた。ボスとはF被告人のことです」と供述しているようです。
基本的に被告人は現場には行かず、男性従業員に任せて、金の管理をしていたらしい。
そして、被告人は「女性はスカウトに任せて、自分は面接をしていた。4人の客がつけば、2万円支払うと伝えていた。日報表を見ると(34ヶ月間で)4778万円の売り上げがあるが、経費を引くと2452万円が純利益です」と調べで述べているとのこと。ただ、被告人質問では、「検察官には認めてもらえませんでしたが、他にも経費がかかってて、月々30万円程度の利益でした」って主張してたから、実際の稼ぎはもっと少なそうなんだけど、金額の問題じゃないですからね、この手の犯罪は。
コンサルタント会社の給料が月40万円らしいから、この副業も合わせると…。
被告人には妊娠中の婚約者がいるらしく、お金を必要としていたのかもしれないけど、給料だけで十分でしょ。
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弁護士ドットコム スタッフのつぶやき。
今回の事件は元芸能人の売春防止法違反ということで注目を集めました。
売春は賭博や麻薬、ポルノなどと並んで「被害者なき犯罪」と呼ばれています。
被害者がいないにもかかわらず、社会道徳的に悪であるから、あるいは社会的法益を侵害するからという理由で、処罰の対象としているためです(本当に被害者がいないとは断言できません)。
実際に売春防止法も「人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだす」という基本的視点で作られています。
しかし、世界にはこうした日本の姿勢と異なる方針を取っている国もあります。
オランダなどでは”撲滅できない”ことを前提に、裏社会の温床にならないよう、国が管理して合法化しています。
所変われば犯罪も変わるといったところでしょうか。