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「ユニクロが未払い賃金払って」インドネシアの製造委託先が倒産、4000人解雇
会見する遠野はるひさん

「ユニクロが未払い賃金払って」インドネシアの製造委託先が倒産、4000人解雇

ユニクロさん、未払い賃金を支払ってーー。国際的な労働問題を支援するNGO「横浜アクションリサーチ」が12月12日、東京・霞が関の厚生労働省で会見し、こう求めた。

NGOの説明では、ユニクロが2012年10月からニット製品の製造委託をしていたインドネシアのジャバ・ガーミンド社が、品質問題や納期の遅れなどを理由に2014年10月に取引を停止された。その影響で工場の稼働率が下がり、資金繰りが悪化。2015年初頭より従業員に対して賃金不払い状況が続き、同年4月に倒産した。約4000人の従業員が数か月分の賃金を支払われないまま解雇されたという。

ジャバ社は倒産に伴って売却した資産を未払い賃金の一部に充てたものの、「依然として550万ドルが未払い」(横浜アクションリサーチの遠野はるひ氏)としている。

ただジャバ社はユニクロだけではなく、欧米のメーカーなどの委託先でもあった。そのため、550万ドルは全てがユニクロによるものではない。遠野氏は「どのくらいユニクロが生産していたかははっきりとこちらではわからない。生産の割合に応じて払ってくれないか、と要求している」と話す。

またNGOが明かすところによれば、ユニクロとのこれまでの協議では、ユニクロ側は責任があるとは認めないものの、人道的な支援はできるとの打診があったという。ただその内容が不十分として協議に進展はみられないとしている。

ユニクロを展開するファーストリテイリングは、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「当時の取引に係わる委託料など必要な支払いは全て完了していることを確認している。生産を請け負う複数のアパレル企業のひとつで、シェアも限定的であることから、取引の終了が破産の直接的な引き金になったとは考えていない。したがって倒産に関して法的責任はないものと考えている。もっとも、倒産によって失職した元従業員の再雇用促進のための支援の提供を、労働組合に対して提案している」(広報)などと回答した。

(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama

(弁護士ドットコムニュース)

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