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スシローのバイトが「賃上げ」求めてストライキ実施へ…回転寿司「迷惑動画」も背景
会見する組合員の1人(2023年3月16日/弁護士ドットコムニュース)

スシローのバイトが「賃上げ」求めてストライキ実施へ…回転寿司「迷惑動画」も背景

大手回転寿司チェーン「スシロー」で働くアルバイトらが、3月17日からストライキをおこなうと発表した。

バイトらは時給引き上げをもとめて昨年から3回の団体交渉を実施してきたが、運営会社「あきんどスシロー」側は「賃上げの問題については、重要な経営課題の一つであると認識しておりますので、引き続き検討を続けたいと考えております」などとして応じていないという。

そこで、春闘要求に伴う行動として、「全店舗におけるパート・アルバイトの10%以上の時給の引き上げ」をもとめて、3月8日にストライキを通告した。

●回転寿司ユニオン加入のバイトがストライキ

ストを実施するのは、昨年10月に結成された「回転寿司ユニオン」(飲食店ユニオン内)の組合員だ。当初は、首都圏のスシローで働く学生バイトら3人だったが、宮城県のスシローで働くパート女性(68)も組合に加入した。

組合員たちは3月16日に都内で記者会見を開いて、スト実施を発表した。

物価高騰などを理由とした賃上げ要求となる。回転寿司業界で大きな問題となっている「迷惑動画」も労働環境に影響を与えているという。

スシローでも、店内で醤油差しを舐める動画などがSNSに投稿され、会社が被害届を出す事態となった。

ツイッターでは2月ごろから、「スシローを救いたい」というハッシュタグで応援する雰囲気が盛り上がり、こうした動きを受けて、スシローは2月の5日間限定で「全品10%オフ」のキャンペーンを実施した。

組合員のAさんは「突然キャンペーンが決まり、店長は利益度外視してお客様に還元だと張り切っていましたが、とても忙しくなった」と話し、忙しくなった従業員には繁忙手当もなかったと主張している。

組合員によると、日頃から、1人で取り組むような仕事を2人〜3人分担当することもあり、大変忙しく動き回っているという。そうした環境も、迷惑動画の撮影に拍車をかけているのではないかとAさんは指摘する。

「人がいればあんなこと(迷惑動画の撮影)できないですから。スシローでは、人を削って、どんどん自動化していく方向に進んでいる。人件費を削るだけ削ればいいという発想が、今回の迷惑動画に至ったんだろうなと思います」

ストは3月17日〜19日まで、組合員が働く東京、埼玉、宮城の店舗で、シフト時間を指定しておこなわれる予定だ。

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