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「始末書もの」「私物もOK」職場のスマホ充電問題 あなたの会社では許される?
職場の充電もいろいろ(写真はイメージ/弁護士ドットコムニュース撮影)

「始末書もの」「私物もOK」職場のスマホ充電問題 あなたの会社では許される?

「会社でスマホの充電はあり? なし?」。ネット掲示板「ガールズちゃんねる」に、そんなスレッドが立っています。

前の職場で誰もしなかったのに、転職先では当然のようにしているので「驚きました」と投稿主。

「職場のスマホ充電ルール」は独特です。「あり」「なし」それぞれの意見が寄せられています。

●充電以前に、持ち込み禁止「情報漏洩リスク対策」

情報を扱うセキュリティー意識の高い業種では、充電はおろか、職場への持ち込みも禁止されています。

「セキュリティ厳しいから無理です。見つかったらインシデント扱いで、全国の拠点に報告があがります。もちろん部課長には怒られるなんてもんじゃないし、なぜなぜ分析&始末書&一ヶ月後に経過報告、人事とは数回の面談が待っています」

「前の会社で充電は絶対禁止でした。電気代ではなく個人情報保護の関連で。事務所内にはもちろん携帯持ち込み禁止。充電したら本部報告、顛末書で重要コンプライアンス違反で全支店に通達」

●条件付きで「充電あり」

このように「充電は絶対ダメ」という例もあれば、条件付きで充電OKという職場があります。その条件は千差万別です。

「バカッターのせいで禁止になった」と嘆く人の職場では、従業員が書類や仕事現場を撮影し、SNSに投稿したことが問題となって、スマホの持ち込み・充電禁止に。それ以降、撮影機能のないキッズ携帯やPHSの使用・充電に切り替わったそうです。

デスクや事務所などでの充電や使用・持ち込みが禁止の一方、「食堂やロッカーで昼休みや仕事以外の時間なら可」としたり、充電器ボックスなど「専用ブース」が設けたりする場合もあります。

画像タイトル 弁護士ドットコムニュース撮影

興味深いのは、コンセントからの充電と、PCからの充電について、意見が割れていた点です。

「社用パソコンからつないで充電するのは禁止だけど、電源から繋いで充電するのはOK」という“コンセント派”は「情報漏洩リスク」を考慮しているようですが、一方で「コンセントじゃなくてPCから」というルールが存在する職場もあります。

●災害など緊急時に電池がないと困る

災害によって対応が変わったケースもあります。震災時の徒歩帰宅で、スマホの充電がなくなりかけて不安だったという報告によって、「充電用のスペースを作ってくれた」会社もあるそうです。

●正規雇用と非正規雇用に差?

同じ仕事内容でも、正社員と非正規社員で「差」があるという報告も。充電したところ、上司から「常識で考えてね」と注意されたという派遣社員は「一応許可とったし、すぐ側では社員も充電してた」と解せない様子です。

●扇風機から電動自転車のバッテリーも。電化製品だって充電OK

携帯電話はダメでも、他の電化製品なら充電OKという職場もあります。

「卓上扇風機」「卓上加湿器」「電子タバコ(アイコスなど)」が代表的な製品です。「ヒゲソリ」、足元を温める「電気ストーブ」、「携帯ゲーム」の報告もありました。

「毎日電動自転車のバッテリー充電してる人いるけどさすがにドン引き」というコメントも。

●罪になるの?

職場の充電が「罪」だという考えも寄せられています。「仕事用のスマホ以外の充電は盗電という立派な犯罪」などの意見は、充電が当たり前という人にとっては強烈な指摘です。「充電したら100〜500円の罰金」という特別ルールも存在するようです。

「会社のスマホを家でも充電してるんだから、個人のスマホを会社で充電(する)位いいでしょ」。こうした意見に納得できるという人は多いのではないでしょうか。

さて、このように、職場で許可されていない場合、スマホの充電は法的に問題があるのでしょうか。

刑法では、他人の「財物」を盗んだら、窃盗罪が成立します(同235条)。電気も「財物とみなす」とされています(同245条)。つまり、勝手に充電することは、場合によっては窃盗罪になりえるようです。

詰まるところ、会社や部署の慣習・ルール次第という結論に行き着きます。あなたの職場ではどうですか。

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