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あおり運転デマ拡散、元市議に賠償命令 被害女性の代理人「同じような事案の抑止力に」
女性の代理人をつとめる小沢一仁弁護士(2020年8月17日、東京・霞が関の司法記者クラブ、弁護士ドットコム撮影)

あおり運転デマ拡散、元市議に賠償命令 被害女性の代理人「同じような事案の抑止力に」

茨城県守谷市の高速道路で起きたあおり運転事件で、事件と無関係なのに「同乗の女」というデマを流され、名誉を傷つけられたとして、東京都の女性が元愛知県豊田市議の原田隆司氏に慰謝料など110万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(田中寛明裁判長)は8月17日、原田氏に33万円の支払いを命じた。

判決後、女性の代理人をつとめる小沢一仁弁護士が都内で会見を開き、「コメントを付記して投稿しただけでも、今回のように数十万円の慰謝料が認められる。広く報道されたこともあり、同種事案への抑止力があるのではないか」と話した。

●「女性の社会的評価を低下させるもの」と認定

原田氏は自身のFacebookに、女性の名前や顔写真が掲載されたツイッターのデマ投稿や女性のインスタグラムのスクリーンショットと共に、「あおり運転指名手配 同乗の女も見つけたようです。たぶん一緒にいるんでしょうね。早く逮捕されるよう拡散お願いします」と投稿していた。

判決は、投稿について「女性の社会的評価を低下させるもの」と認定。原田氏が単独でおこなった行為であることなどから、慰謝料と弁護士費用計33万円の支払いを命じた。

小沢弁護士によると、女性は今回の判決が同種事案の抑止になることを期待しつつ、被害者側の負担を減らすような制度作りを求めたという。

金額について、小沢弁護士は「現在のネットの名誉毀損事件の相場観からすると、慰謝料30万円は大きく外れたものではない」としつつ、現在ネット上でデマや誹謗中傷に関する事案が相次いでおきていることに触れ「被害者側が弁護士費用などお金をかけても、それさえ補えないような金額であり、抑止という面でももう少し相場が上がってもいいのではないか」と話した。

女性はツイッターやインスタグラム、まとめサイトで「ガラケー女」などと誹謗中傷をした人に対し、複数の発信者情報開示請求を進めており、順次損害賠償請求訴訟を提起する予定。

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