アニメ制作会社「マッドハウス」（東京都中野区）が労働基準監督署から是正勧告を受けた問題をめぐり、未払い残業代などについて団体交渉していた制作進行の男性社員に対して、会社側が解決金を支払ったことがわかった。
●会社「双方が納得する内容で合意した」
男性が加盟する「ブラック企業ユニオン」の坂倉昇平氏が2月17日、ツイッター上で明らかにした。
アニメ制作会社マッドハウスに勤務する制作進行Ａさんがブラック企業ユニオンに加盟し、未払い残業代や慰謝料の支払い、長時間労働の改善を求めて団体交渉をした結果、Aさんに十分な額の解決金が支払われました。なお、この間、Aさんのみ残業の少ない業務に変更となりました。
— 坂倉昇平＠ブラック企業ユニオン（総合サポートユニオン） (@magazine_posse) February 17, 2020
マッドハウスは、『サマーウォーズ』などで知られるアニメ制作会社だ。労使協定で定めた上限を超える時間外労働と割増賃金の未払いがあったとして、2019年4月17日、新宿労働基準監督署から是正勧告を受けた。
この件で労基署に申告した男性は、アニメ制作のスケジュールやスタッフ、素材を管理する「制作進行」という職種を担当していた。長時間労働などで、帰宅途中に倒れて救急車で運ばれることがあったと訴えていた。
坂倉氏は「Aさん（男性）に十分な額の解決金が支払われました。なお、この間、Aさんのみ残業の少ない業務に変更となりました」とツイートしている。具体的な解決金の金額などは明らかにしていない。
マッドハウスは、弁護士ドットコムニュースの取材に「双方が納得する内容で合意しました」「内容につきましては、守秘義務がございますので、控えさせていただければと思います」とコメントした。
