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「嫌がらせ目的のスラップ訴訟だ」世耕議員から名誉毀損で訴えられた青学教授が反訴
青山学院大・中野昌宏教授(左から2人目/2020年9月25日・弁護士ドットコム撮影)

「嫌がらせ目的のスラップ訴訟だ」世耕議員から名誉毀損で訴えられた青学教授が反訴

ツイッターに投稿した内容をめぐり、自民党の世耕弘成参院議員から名誉毀損で訴えられた青山学院大・中野昌宏教授が9月24日、嫌がらせ目的のスラップ訴訟だとして、世耕氏側に対して、損害賠償150万円をもとめて東京地裁に反訴した。中野教授側が25日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見して明らかにした。

●"統一教会の関連団体に所属していた"という内容のツイートだった

ことの発端は、中野教授が2018年と2019年7月、"世耕氏が統一教会の関連団体に所属していた"という内容のツイートをしたことだ。

2019年8月当時、現職の経産大臣だった世耕氏は、これらのツイートが、名誉毀損にあたるとして、中野教授を相手取り、損害賠償150万円のほか、ツイッター投稿記事の削除、ツイッターへの謝罪文掲載をもとめて提訴した。

反訴状などによると、世耕氏は、関連団体に所属したことはなく、「統一教会に対して、反社会的な団体であるとの印象を抱くものが少なくない」ことから、社会的評価を低下させるものであると主張している。

一方、中野教授側は、所属ではなくて、政治思想の類似性を指摘したものであり、そもそも"自民党の有力な支持母体"であることから社会的評価を下げず、もし社会的評価を下げたとしても真実性・真実相当性がはたらくとして反論している。

●「言論が萎縮させられてしまう」

さらに中野教授側は、世耕氏の提訴そのものが「恫喝ないし嫌がらせに主眼を置いたスラップ訴訟である」として反訴した。

(1)ツイッターの投稿は、公共の利害に関する内容で、もっぱら公益を図る目的であり、(2)関連団体に所属していたという言論が、長年繰り返されてきたにもかかわらず、世耕氏は一度も公的に否定しておらず、(3)対抗言論もなく"不意打ち的"な提訴だったと指摘している。

中野教授は司法記者クラブの会見で「一般市民が政治家に対する疑惑を述べたときに証拠をもっていないことはある。そういったことをツイッターに書くことがむずかしくなる。かなり(言論、表現の自由が)萎縮させられてしまう」と語った。

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