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「群馬の草津じゃありません」滋賀の草津市、お門違いの爆破予告受ける 町議リコールめぐり
滋賀の草津駅(画像はイメージ 長兵衛 / PIXTA)

「群馬の草津じゃありません」滋賀の草津市、お門違いの爆破予告受ける 町議リコールめぐり

群馬県草津町の女性町議へのリコールをめぐり、滋賀県草津市の庁舎や学校を「サリン入り手りゅう弾」「コロナウイルス入り爆弾」で爆破するとの予告メールが届いた。

「勘違いではあると思うが…」と困惑する滋賀県草津市だが、それでも有事を想定し、危機管理の対策本部を立ち上げた。

2020年度、同市には「炭疽菌」「火炎放射器」「襲撃」などの犯行予告がなされ、これで4度目となる。

また、草津市議会にもリコールへの抗議が届けられていた。(編集部・塚田賢慎)

●サリン手りゅう弾、コロナ爆弾

滋賀県の草津市役所に犯行予告メールが送られたのは、12月7日午後6時32分。

「12月10日午前3時34分~午後4時33分に草津町と草津市内の役所、温泉施設、宿泊施設、商業・娯楽施設、学校、老人ホームに高性能なサリン入り手りゅう弾とコロナウイルス入り爆弾の爆破を実行します」

市の危機管理課によれば、メールには「リコールに賛成した者を射殺する」などとも書かれていた。

リコールといえば、群馬県草津町では、6日、新井祥子町議のリコールを問う住民投票があり、失職が決まった。

「滋賀県にも草津町はあるが、文面から、群馬県の草津町のことだと考えられます」

市では、群馬の草津町に情報を提供するとともに、危機管理課対策本部会議を開催した(8日)。

所管の滋賀県警草津署も事件を認知し、威力業務妨害などの事件として、捜査にあたっているという。

「群馬の草津町にはメールが届いていませんでした。群馬と滋賀を勘違いした可能性が高く、もしくは愉快犯かもわかりません」

しかし、爆弾が本当に設置されたという想定のもと、9日夕方には市役所庁舎内の全フロア一斉点検が予定される。何もなければ、10日は開庁される。

●コロナで犯行予告が増えている

2020年度、民間施設を含めた犯行予告は県内で32件。草津市に限ると、これが4件目になる(12月8日現在)。

「今年は犯行予告を受けることが多い。全国的にも増えていると聞きます。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で精神的に不安定なかたが多いのではないか」

草津市への残り3件の犯行予告では、学校や市役所は臨時休校、臨時閉庁した。

「襲撃犯が庁舎内に侵入する」「炭疽菌をばらまく」「火炎放射器で火の海にする」などのメールが届いたという。

「ただでさえ、新型コロナで休校したため、授業数は少ない。そんな中で臨時休校すれば、学力にも影響があるかもしれない。本当にやめてほしいです」

これまで、実際に犯行がなされたことはない。それでも、市民の安全確保のため、無視するわけにはいかないのである。

●市議会にも見当違いの抗議メール

「草津」で間違われることは、よくあるそうだ。

「どこにいい温泉ありますかなどの連絡を受けることがあります。駅前には、群馬の草津町からお湯をいただいていた温泉施設もありましたが、今は老人ホームになっています」

なお、草津市議会にも、リコールに抗議するメールが2通(12月6日夜、7日未明)届いたという。

「草津温泉のことが好きだったけど残念でした」などの内容だったため、返信で、丁重に送信先の誤りを指摘したそうだ。取材に、市議会は「慣れております」と話した。

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