6月18日に開催されたAKB48選抜総選挙で20位にランクインしたNMB48の須藤凜々花さん(20)が、壇上のスピーチで突然の「結婚宣言」をしたことが大きな話題になっている。
須藤さんは「私は人の愛を知って、初めて人を好きになることが出来ました。私、NMB48の須藤凜々花は結婚します」と異例の宣言をした。週刊文春デジタルはちょうどこのタイミングで、須藤さんが一般人男性と交際していることを明らかにしており、スキャンダル発覚に合わせた結婚宣言となった。
突然の交際発覚には、元メンバーの大島優子さんが「結婚発表? なんでもアリだね」とコメントするなど、批判の声が高まっており、ツイッターでは、「これってある意味詐欺だよね。ファン騙して金使わせて」「金返せ」などの声があがっている。
恋愛禁止の掟を破り、結婚まですると宣言した須藤さんが、そのことを選挙期間中に説明せずに集票を呼びかけていたことは詐欺にあたるのか。投票券付きCDの購入代金など、投票するために投じたお金の返金を求められたら応じる必要はあるのか。西口竜司弁護士に聞いた。
●詐欺にあたるかどうか
毎年のように総選挙は盛り上がりますね。それにしても、今回の問題は大騒動になっているようですね。今回の問題を法律的に解説したいと思います。
須藤さんを推しメンにしているファンの皆様の気持ちも理解できます。ただし、今回の行為が民法96条第1項の「詐欺」にあたるかといわれると、答えはNOと言わざるを得ません。少し難しい話になってしますのですが、「詐欺」とは、(1)詐欺者の故意(わざとすること)、(2)違法な欺罔行為(だますこと)の存在、(3)欺罔行為によって相手方が錯誤に陥ること、(4)錯誤による意思表示が必要になってきます。
今回の問題では、週刊文春さんにキャッチされたことをきっかけに結婚宣言につながったと考えられるので、須藤さんがわざとファンを騙して集票しようとしていたとまでは考えにくく、(1)故意があるとは言えないのではないでしょうか。たしかに、AKB内部で恋愛や結婚は禁じられていますが、プライベートな内容である恋愛等の事情を明らかにしないというだけで故意があるとするのは難しいでしょうね。また、同様に(2)違法な欺罔行為とも言えないでしょうね。
結局、詐欺は成立しないので返金を求めることはできないということになります。
須藤さんを推しメンにしていた皆さん悔しいでしょうが、彼女の幸せを願いましょうね。私の推しメンは山本彩さんです。関係ないか。